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油膜取り 『諦めるな! 考えろ!』

油膜取りの商品を考えて7~8年になります

まず水草水槽で多く発生する油膜について調べました
油膜と言っても実際は油では無く、バクテリアの死滅によって死骸が浮遊する事が主な原因みたいです
エアーレーションしてる水槽では水面の揺れで油膜はあまり発生しませんが、水草レイアウト水槽では多く発生します。

水草は二酸化炭素を取り入れて酸素を発生さす、このサイクルを簡単に言えば光合成です。
光合成とは、一般的に水と二酸化炭素と光が必要です。
水草を枯らさず(腐らず)に飼育するには二酸化炭素が多ければいいとか、光が多ければいいとかでは無く、それぞれのバランスを保たなければなりません。
水草を綺麗にレイアウトする為に飼育水の溶存酸素量を水草の数と生体の数のバランスを考えながら極限まで少なくして水草の光合成を促進させます。
水草と生体のバランスを考えて、場合によっては二酸化炭素(Co2)も添加します。
レイアウト水槽を作る時、まずは構図をイメージして水草の種類や植える数を考えます。
その後に生体を入れていきますが、立ち上げた時と数か月経った後では水草は育ち、生体と水草のバランスが変わります。
バランスが悪くなると突然崩壊する事もあるので、飼育者の日々の観察が重要です。
私もレイアウト水槽を楽しんでた時には『あれっ?』て思うことがありました。
レイアウトを綺麗な状態で長く維持するのは難しいですが、その難しさを楽しく感じれれば知識が豊富になって長く楽しめる趣味になります

失敗は成功の元です!

脱線しました
話を戻して、現在各メーカーから販売してる油膜取りの商品は、水中モーターを使ってインペラを回し強制的に水面の油膜を水中に吸い込んで巡回させる仕組みの商品が多く、このように電力を使った油膜取りの商品は確実に油膜は取れて非の打ちどころは無いです。
唯一あるとしたら電源を使う事と、少し大きいぐらいですかね。
もしこの2点に問題無しと思えば、このような油膜取り商品を使う事をお勧めします。

弊社は何とか電力を使わずに外部フィルターの水流を利用して油膜を吸えないかを長く考えていました。

まず考えたのが、外部フィルター吸水側の水流を利用して水面を吸い込む事でした。
IMG_E5246.jpg

こんな吸水パイプを作って何度も検証しました。
画像では半透明のパーツで組み立ててますが、実際はクリアー素材のパーツで作っていました。

吸水側の水流を利用するには、T字部分の高さと、そこからのストレーナーまでの高さを固定して、上側にフロートタイプのパーツを作って水面から空気は吸い込まずに水だけ吸い込ませる感じです。
しかしこの調整はかなり微妙で難しかったです。
上下をバランスよくするには流量(吸水力)の調整が必要で、ストレーナの吸い込み口を大きくしたり小さくしたりするしか方法はありません。
生産者の私が検証する時に『この調整はシビアで難しいなぁ』って思えば、実際ユーザー様が調整すれば『なんじゃこれ! これは使えんわ』ってなるでしょうね。

あと吸い込み口の調整を見立てるには外部フィルターのコックの開け閉めでやりました。
やってるうちに『これって強制的に流量を落としてるよね』っと思いました。
強制的に流量を落とせば当然フィルターのモーターに負担が掛かります。
あと調整のちょっとしたミスで空気を巻き込んでフィルター内に空気が入ってしまいます。
外部フィルターをお使いの方は解ると思いますが、フィルター内に空気が入ると最悪の場合は水が巡回せずにモーターの空回り状態になって、高価な外部フィルターが壊れてしまう可能性もあります。

この試作品のT字ジョイント部分は単純な分岐タイプだったのですが、
この次の試作品はこれを作りました。
ssrt1213.jpg

T字ジョイントの内側に減圧部分を作って、ストレーナーから吸う水流に上のフロートパイプからより吸い込むように作りました。
こうすればフロートパイプの高さを水面からかなり下げて、確実に空気を吸わない状態でも水は吸い込むかなと思いましたが納得する製品にはならなかったです。

結果、吸水側の水流を利用して油膜を取るにはリスクがあると思って諦めました・・・

次に考えたのが外部フィルターの出水側の水流を利用してインペラを回して水面を吸い込む事でした。

社内の外部フィルター(2213)では上手く作動して、水面にエクボの渦が出来て『これで仕上げていこうかな?』って思いましたが、検証してるうちにインペラが回転不足になったり、回転が止まったりしました。
外部フィルターのメーカーが記載してる流量(スペック)はモーターのパワーから計算した数値です。
実際に使う時は、当然ろ材を入れます。
流量はろ材の種類や水槽のセットする高さが左右されて、使ってるうちにインペラの軸の摩耗やスラッジ、あとはろ材の目詰まりやホースの折れ等も水流(流量)が左右されます。
このような状況を考えれば『この回転じゃダメだな・・・』って思って心が折れました

簡単に取り付けて油膜が取れる商品はちょっと無理かもって思って、この時期には一旦頭から外しましたね

今から約8年前に弊社のディフューザー商品の『バブルチョイス』を作った時に、水流を利用して空気を取り入れる微妙な形状を何度も検証して、何度も試作して独自のアスピレーター(減圧部品)を完成させました。
当時バブルチョイスを検証してる時にアスピレーターの高さで水面の水を吸ってた事を、突然思い出しました。


これがバブルチョイスのアスピレーターを使った動画です
動画ではわかり難いですが、高さによって微妙ではありますが空気を吸い込まず水面がエクボ状の渦を巻いて表面の水を吸い込んでいます

出水側の水流を利用すれば、万が一調整をミスっても空気を巻き込んでディフューザーになるだけで、外部フィルターの負担は無く、この商品によって外部フィルターが壊れる心配は無いです。
外部フィルターの水流を使って油膜を取る商品、リスクを考えた消去法でこの方法しか残りませんでした。

この方法で製品を仕上げていって、ダメだった場合は諦める覚悟で試作して検証開始です。
この考えに辿り着くまで約7年・・・・
と言うのが、油膜取りを考えて試作して検証して失敗の繰り返しで、その間に50アイテムぐらいの商品をリリースしてます。
7年は長いですが途中途中に別の商品を開発してるので長くは感じて無かったのが本音です。

弊社は海外で完成した商品を輸入し販売するブローカーでは無くて、部品の1つ1つを設計し金型から自社生産して完成させるメーカーなので、1アイテムを作る時は1アイテムが止まるって感じです。
ブローカーは売れる商品だけ仕入れて売ればいいだけで、売れなくなったら仕入れなくていいです。
仕入れ量が多ければ価格を下げる交渉もできるので、売れるかどうかの目利きが大事かな。
生産工場も必要なく設備投資もいらのでリスクはかなり少ないです。

商品を自社開発&自社生産のメーカーは、途中で諦めればそれまで費やした事が無駄になって、リスクと隣り合わせです。
でもユーザーの声を形にした商品を開発する事はできます。

どんな分野の商品でもユーザーが求めてるのは、見た目と機能性と価格のバランスです。
見た目が良くても高価であったり、機能性はいまいちだったり。
機能性が良くても高価だったり見た目が悪かったり。
価格が安かっても見た目が悪かったり機能性がいまいちだったり。
こんなバランスはダメですよね。


弊社はよりシンプルに、よりコンパクトに、よりリーズナブルな商品を提供できるように努力してます。
この価格でこの見た目でこの機能だったら許容範囲で買いかなて一人でも多くの人に感じてもらえるように日々精進してます。

自分を信じて前を向くしかないかな。

”made in japan & make by choice”


油膜取りの試作品の部品はかなり作りました。
金型費用だけでも数百万円は投資しています。
設計や試作、検証する時間を考えれば相当な金額になってます・・・
私はいつもスタッフが仕事で悩んでる時には『諦めるな! 考えろ!』って言ってます。
弊社のアクア商品は開発から、設計・生産・出荷までスタッフに頼らずにほぼ私1人でやってて、この商品を長く私がやっているのを見てるので、スタッフからは『この油膜取りの商品は不良債権みたいなもんですね』って言われています
(このまま頓挫したら確かに・・・ ><)
検証で何度も失敗して心は折れてますが、私も意地があるので何とか諦めずにこの油膜取りを完成させたいです!



高さを上に上げれば簡易的なディフューザーにもなって、私感ですがいい線まできてます。



一般的に多く普及してる外部フィルター、12/16ホースで繋いでる市販されているΦ13出水パイプ(オーバーフローパイプ)であれば互換性ありでワンタッチで簡単に取り付けできます
大きい外部フィルターの16/22ホースで繋いでるΦ17出水パイプ(オーバーフローパイプ)の場合は16/22ホースをジョイントとして使えば取り付け可能です。
ワンタッチ万能油膜取りの商品が完成間近です。
あともう少し検証して、金型を微修正してがんばります
『諦めるな! 考えろ!』
自分で言い聞かせます。

応援、宜しくお願いします!

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